フリーランス2年目だけど家を建てることにした 其の3

今回は業者選びについて。


スーモカウンターで業者を紹介してもらう

其の1 で書いたように、住宅展示場の営業戦略にはまり、とあるハウスメーカーで話を聞くことになり、家を建てることにしたわけだけど、そのためには業者を選ばないといけない。でも、業者はものすごくたくさんある。スーモカウンター でもらった資料を見ると、200〜300社(でも実際にはもっとありそう)。近所の住宅公園だけでも20社ぐらいあり、そこだけでも全部回るのは時間的に厳しい。そもそもどう選んだらいいのかすらもわからない。

というわけで、其の2 で書いたように、まずはスーモカウンターに行ってみた。

ここで家づくりの基本について教えてもらい、こちらの要望を出して、それにあった業者を4社紹介してもらった。この時出した要望は以下の通り。

こんな感じで要望を出して、紹介してもらったのが次の4社。

これらに追加して、

の計7社にまずは絞り込んで、実際に各社に会って話を聞くことに。ちなみにこの段階だと、3〜8社ぐらいに絞るのが平均らしい。


各社との打ち合わせ

最初に釣られたハウスメーカー以外は、すべてスーモカウンターを通じて日時の調整をしてもらった。で、実際に打ち合わせをしながら更に絞り込んでいく。

ここで大事なのは、事前に予算感を持っておくこと。資金計画についてもスーモカウンターで話を聞くことができて、「借入可能額」(年間所得を元に算出した借入上限額)と「借入希望額」(月々の希望返済額を元に算出した借入額)の計算をしてもらえるので、借入額+頭金で、総額どれぐらいまで出せるのか、を把握しておくと良い。最初のうちは、土地や建物にどれぐらいお金が必要なのかがさっぱりわからない(そもそも、どれぐらいの広さの土地や建物が必要なのかすらわからない)けど、打ち合わせを進めるにつれ、総予算のうち、土地にこれぐらい、建物にこれぐらいかな、というのがなんとなく見えてくる。

また、ハウスメーカーや工務店によって坪単価が全然違うので、ここだと余裕がありそうだな、とかここだと建てるのは無理かな、みたいなのも早い段階でわかる(お金の話はまた別エントリで詳しく書く予定)。

各社との打ち合わせ後の感想は次のような感じ。

A社

シェアNo.1ってのを鼻にかけてる感じがちょっとした。うちを選んで当然でしょ、的な。シックハウス対策にかなり力を入れてることはわかったけど、それ以外はあまり印象に残らなかった。

B社

初回打ち合わせから、不動産屋の方も同席して、土地の話なども相談に乗ってもらえた。

コンピューターシミュレーションで日照や風の通り道なんかを計算して設計に生かす、というのがウリのようで、おもしろそうだけど、春や秋の花粉の時期は外気はシャットアウトしたいので、通風とかは割とどうでもいいんだけどなー、と思った。

C社

モデルハウスの外観や間取りや内装がとてもよくて、こんな家に住みたいなー、と思わせてくれた。特に「スキップラウンジ」や「プチリュクス」と呼ばれる空間が気に入って、ぜひ取り入れたいと思った。

担当営業も紳士的で物腰やわらかで、押しつけがましくなくてよかった。

全館空調はスーモカウンターで話を聞くまではノーマークだったけど、話を聞いたらぜひ取り入れたいと思ったし、C社は全館空調を全面的に押していて、実績が豊富なのも良い。

複写で議事録をとって、打ち合わせ終了後にお互い押印して、原本を客側が、コピーをハウスメーカー側が保存、という形になってるのも良い。議事録があると、言った言わないの話になりにくいので。

D社

サービスとしてファイナンシャルプランナーを紹介してもらって、無料で相談ができた。それ以外はあまり印象に残ってない。

E社

担当営業が新卒2年目で頼りない。1番最初に話を聞いたハウスメーカーなので、最初は悪くないかな、と思ったけど、その後他のハウスメーカーを見たら、ここは全然魅力を感じなくなってしまった。柱の強度がものすごく強い、阪神淡路大震災の2倍の揺れでも大丈夫、ということをひたすら強調してたけど、そこまで強い必要ないし、それ以外に長所はないの、って思った。

担当営業が家まで手紙や手土産を届けに来たり、断った後も理由を聞きに来たりするのが非常に鬱陶しい。

議事録をしっかりとっているのは好印象。

F社

女性の方が好むタイプの外観や内装で、他の人の家であれば、素敵な家だなー、と思うんだろうけど、自分が住むとなると、いまいちピンと来なかった。

担当営業はとても印象がよかった。ほとんどのハウスメーカーは1回の打ち合わせで断ったけど、ここは何度か打ち合わせに行ったり、モデルハウスも何カ所か見に行ったりした。

G社

営業所長が出てきたけど、イヤな感じだった。説明とかは丁寧ではあるんだけど、なんとなく上から目線な臭いを感じてしまう。

北欧輸入住宅だけあって、断熱性能が高いのが良さそう。だけど、木製のベランダとか手入れがめんどくさそう、木枠の回転する窓は開けにくそうだし、これも手入れがめんどくさそう、と思った。実際はどうだか知らないけど。


打ち合わせを元に業者を絞り込む

次のステップとしては、3〜5社に絞り込んで、更に打ち合わせを重ねて具体的なプランや見積の精度を上げて比較検討する、というのが標準的らしいんだけど、我が家はこの段階でいきなりC社のみに絞り込んだ。

早々と一社に絞り込んだのは、C社が他と比べて圧倒的に良かったので、これ以上他社との打ち合わせに時間をかけてもあまり意味がなさそうだな、と思ったので。

C社に絞っていたとしても、値引きを引き出すための材料として、他社とも話を進めて相見積をとる、というのが賢いやり方だろうけど、自分はそういうのが苦手だというのもある。相見積の精度を上げるために、複数社と何度も打ち合わせをするのは時間がかかって面倒だな、とも思った。

また、早々と御社に決めました、と言うと、担当営業のモチベーションも上がっていい仕事してくれるんじゃないかな、という狙いもあったり。実際、相見積をとって値下げ交渉したりとか、こちらから値引きを要求したりとかせずとも、かなり値下げしてくれた。担当営業も「他社がこれだけ値引きしてくれたから御社も値引きしてくれ、と言われるよりも、気持ちよく値引きできます」と言っていた。

そんな感じで、総合的に見て他社と比べて圧倒的に良かったのと、いいお客さんを演じることで、先方にも気持ちよく仕事してもらうため(それが結局は自分のためになるので)、C社に絞って更に詳細詰めていくことに。

我が家の業者選びはこんな感じで進んでいった。


業者選びの反省点

今のところC社を選んだことはまったく後悔しておらず、いい業者を選んだな、と思っているんだけど、それはたまたま結果オーライだっただけで、今思うと、かなり情報収集不足だったな、と思う。たとえば業者の種別についてろくに知らなかった。

業者は大別すると以下の3つにわけられる(もちろん例外もあるけどここでは除外)。

それぞれの特徴については、其の2 で紹介した マンガ はじめて家を建てました! とか 家づくり必勝法 といった本や、注文住宅の依頼先 /注文住宅のキホン | まるわかり注文住宅 なんかを見てもらえばいいので、ここでは説明しないけど、それぞれどういった人が向いてるか、というのを、「マンガ はじめて家を建てました!」から引用すると次のような感じになる。

この分類だと自分はまさにハウスメーカーが向いていて、最初の段階でハウスメーカーに絞ったのは間違いではなかったんだけど、上のような業者種別毎の特徴を抑えていたわけではなく、単になんとなくハウスメーカーがいいかな、と思っていただけだった。

結果的にそれがたまたま正しかったから良かったけど、自分に向いてない業者の中から選定しようとしていたら、なかなか業者が決まらない、とか、決まったけどなんかしっくりこないままずるずる進んでしまう、とか、最悪家づくりに失敗して、もう2度と家を建てようとは思わない、といった結果になったかもしれない。実際 家づくり必勝法 という本には、そういった事例も紹介されている。

なので、これから家を建てようと思っている人は、業者の種別と、自分がどの種別に向いてるのか、ということを把握するところから始めるのがよさそう。

また、業者選びにかける時間が短すぎたかな、とも思う。家建てるか、と思ったのが4月29日で、業者を一社に絞り込んだのが5月22日なので、業者選定に一ヶ月かかっていないことになる。

我が家の場合は、できる限り早急に今より広い家に移り住みたい、という事情があったから、しかたがない面もあるけど。

以前紹介した本や雑誌も、このわずかな期間に全部読んだわけではなく、業者を絞った後に読んだものもあるけれど、これは業者を絞る前に読むべきだった、と後から思ったものもある。

我が家は行かなかったけど、実際に各ハウスメーカーのお客さんが建てた家の見学会とか、建売前提のモデルハウスとか、建売物件での宿泊体験とかもあるので、そういったものにもできれば行った方が良さそう。住宅展示場のモデルハウスは営業用なので、面積も広いし、外装も内装も高いものを使っており、ハウスメーカー標準の坪単価よりも遙かにお金がかかっていて、まったく参考にならない、というわけではないけど、現実的ではないので。


まとめ