大学卒業が確定した pic.twitter.com/wEEXoUpCcY
— Gosuke Miyashita (mizzy) (@gosukenator) March 13, 2019
以前 37歳で大学生になりました というエントリを書きましたが、7年かかってようやく卒業しました。在籍できる期間は最長8年間だけど、2年次から編入という形で入学したので、卒業できてもできなくても、今年度が最後でした。
仕事しながらの大学生活がどんな感じだったのか、振り返ってみたいと思います。
授業は以下の3つの形態になっています。
卒業には124単位必要で、自分は以前卒業した大学の32単位を持ち越すことができたので、実際には92単位を取得する必要がありました。
授業の具体的な内容は、以下のページから見ることができます。
最短で卒業することを想定した、年間辺りの単位取得数モデルケースは、1年次32単位、2年次32単位、3年次30単位、4年次30単位、となります。
また、授業開始は4月中旬ぐらいからで、Ⅳ期のレポート締切が1月初旬なので、授業をこなすのにあてられる期間は、1年間のうち実質的には9ヶ月ほどしかありません。
で、32単位取得しようとすると、16科目受ける必要があるので、大体1ヶ月に2科目こなす必要があります。テキスト授業やメディア授業は1科目が15章に分割されているので、1日に1章こなせば、最短で卒業できる計算になります。といっても、必ずしも毎日授業をこなせるわけではないですし、レポートを書くための時間も必要なので、1日1章だと時間が足りなくなります。
1年目は32単位取得できたのですが、なかなか大変でした。平日は朝会社についてから始業時間までの30分、昼休みの1時間、家に帰ってから1,2時間、といった感じで授業に時間を割いていました。土日も2,3時間は授業をこなすのに割り当ててました。また、出張先のホテルで授業をこなしたり、年末年始関係なくレポートを書いたりもしてました。
微分方程式でロケットの最大速度と到達高度を計算してる。(大学の応用数学課題レポートです。)
— Gosuke Miyashita (mizzy) (@gosukenator) December 30, 2012
ロケットの高度計算の積分やってたら年明けてた。おめでとうございます。
— Gosuke Miyashita (mizzy) (@gosukenator) December 31, 2012
本業があまり忙しくなく、残業がほとんどなければ、これぐらいのペースで授業をこなすことはできるのですが、本業が忙しくて残業が多くなったり、本業以外の仕事(自分の場合は雑誌や本の執筆)が重なったりすると、並行して授業もこなすのはかなり厳しいですね。
勤め先が提供しているサービスで大き目のインシデントが発生した時は、リカバリ作業のヘルプで徹夜対応して、そのまま試験会場に向かう、なんてこともありました。
そうだ、、mizzyさん朝まで対応してから試験受けに行かれてた… #ぶつかり稽古
— Shinya Tsunematsu (@tnmt) November 23, 2013
試験は無事合格しましたが、その後も事後処理などで忙しかったり、対応が終わって落ち着いたら一気に気が抜けたりで、この後はまったく授業が手につきませんでした。
また、Serverspec 本 の執筆中も、授業どころではありませんでした。
こんな感じで、7年かかってなんとか必要な単位数を取得できました。
以下が成績原簿です。「認定」と書かれてるのは、前の大学から持ち越して認定された単位です。
本業との兼ね合い以外だと、基本的には自学自習とあまり変わらないので、モチベーションの維持が一番大変でした。何度か途中で辞めようかな、と思ったこともありました。が、ここで辞めるとなんか負けた気がする、それは嫌だ、と思いながら何とか続けてこられました。
LMS(学習管理サイト)上に掲示板があり、そこで情報交換したり、実際に集まって勉強会をしたり、といったことも行われているようなので、モチベーション維持のためには、こういったものを活用すると良いかも知れません。
学ぶ内容は基礎的なことが多く、すぐ実践で役立つ、というものでもないので、これから仕事で役に立つかどうかはわかりません。
入学のモチベーションのひとつに、アメリカで仕事をしたい、そのためのビザ取得にはCS(Computer Science)の学位が必要だから、というのもあったのですが、今はアメリカに行く気はあまりないので、そのために学位を役立てる機会も今のところはなさそうです。
また、入学したときに書いたエントリに「情報工学や計算機科学なんかの学位を持ってない、といったことに、ほんの微か、あるかないかぐらいの、引け目なんだかコンプレックスだかなんだかわからないけど、そんなようなものをずっと持ち続けています。」とあります。これは今考えてみると、今後ずっとIT技術者として生きていくための、確としたバックグラウンドが欲しい、ということだったのだと思います。そういった意味では、この大学で学んだことや、最後までやりきって卒業できたことは、自分を支える確かなバックグラウンドの一部になったと思います。
なので、入学して良かったかどうかで言えば、まあ良かったんじゃないかと思います。
学士を取得した、となると、次は修士や博士、というのが自然な流れかな、でもまあすぐにではなく、ゆっくり考えよう、と思っていたら、ちょうどタイミング良く matsumotory さんからお声がけいただき、さくらインターネット研究所の客員研究員 になりました。ここから論文博士への道もあるかな、と考えています。
また、リモートでアメリカの大学院のCSの授業を取ってみた話 - k0kubun's blog を読んで、こんな風に大学院で更に専門的な内容を学ぶのも良さそう、などと思っています。